妻の老後の健康を思えば、漢方薬の知識も書き残していくべきだろう。
葛根湯加川芎辛夷という漢方薬は、クラシエの Web サイトなどで、鼻づまりに効くとされている。
しかし、鼻づまりへの効能などは、実はささやかなおまけでしかない。
葛根湯加川芎辛夷は、葛根・麻黄・桂皮・甘草・生姜・大棗・芍薬・川芎・辛夷の九つの生薬で構成されている。
まず、甘草は、患部の一点に向かって苦痛が集中する状態(ある種の頭痛時や腹痛時など)に適す。
桂皮は、体の表面を冷やしたことで起こる上方への突き上がり症状(ある種の頭痛やえずきなど)に適す。
川芎は、血行不良に由来する体の冷えや偏頭痛に適すとされている。
麻黄は、呼吸のしづらさを伴いながら節々がうずいて痛む人に適す。
生姜は、胃腸に水がたまって起こる吐き気や下痢などに適す。
続いて、大棗は、体や心の筋張りに適す。
芍薬は、体が緩まないせいで関節の運動が障害されているものに適す。
葛根は、うなじや背中がこわ張って姿勢が縮こまっている人に適す。
最後に、辛夷は、ある種の鼻づまりに適すとされている。
桂皮と川芎は、漢方理論で言うところの「血」を温め、その運行を促進する。
麻黄と生姜は、漢方理論で言うところの「水」を温め、その余剰が汗などで排出されるのを助ける。
この葛根湯加川芎辛夷を、鼻づまりの改善を目標に、一年以上も処方され続けている人がいた。
その人の衣服からのぞいた首元や肘などは、真っ赤。
辺りに広がっているかさぶたからは何度も肌をかきむしって出血を起こしていること、分厚くなった皮膚からは何度もかゆみをぶり返しながら長い年月を過ごしてきたことが読み取れる。
傷口を作ることで血の勢いを逃がしたがっている人に、桂皮と川芎で、血行を促進。
多汗かつ乾燥肌に苦しんでいる人に、麻黄と生姜で、発汗。
あの皮膚の状態を見て、何も感じない人間など居るだろうか。
自分の仕事の影響を振り返ることもせず、一年以上も同じことを単調に続けられる医療従事者など居るだろうか。
医療従事者は、何のために仕事をし、何のために患者と会い、何のために漢方薬を買わせていたと言うのか。
末尾に偉そうなことを書き残したが、それは自分への教訓とするためであり、自分の仕事に心を込め忘れることを防ぐための一助にすべきと感じたからである。
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